オーナーに聞く! Fantic CABALLERO Scrambler 250 Owner:河村広志

モータリストで扱う車両のオーナーに、コラムを執筆いただいたのでご紹介です。
第1回目は河村広志さん。
モトクロス国際ライセンスも所持し、様々なレースで活躍されています。
モトクロスを中心としたトークショー 『第3ヒート』をYouTubeで配信中。
http://www.mxheat3.com/
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はじめましての方は、はじめまして。
河村広志といいます。

バイクに乗って仲間と遊んだりするのが好きです。モトクロッサーでレースも出たりしていました。今でもたまに乗ります。

街乗りバイクはリトルカブとキャバレロ スクランブラーを持っています。
キャバレロは僕の所にやってきてから3年経ちました。
とりあえず街中をのんびりツーリングしてみたり、普通の街乗りバイクとして楽しみました。
舗装路を走っているうちに「ある程度の悪路でも走れるな」と確信。

タイヤも街中を走ってもストレスにならず、山の中も荒らさない程度のブロックタイヤを装着。ゲレンデを使ったレースに出場しました。
予想通りキャバレロは力強くグングンと坂や凸凹路面を走ってくれました。

僕は長いことレース専用のモトクロスバイクしか乗ってこなかったので、キャバレロに乗り始めたころは感覚を掴みきれていないところがありました。

さすがにキャバレロでモトクロスコースのジャンプを飛んだりとか、そこまでズレた感覚では無かったんだけど、まあまあな速度でギャップ(ちょっとした凹凸)に突入したり、サスペンションをフルボトムさせることもしばしば。

言い訳をさせてもらうと、キャバレロがそれだけ走れちゃうってこと。

「キャバレロ君!ここのギャップ突っ込んでも大丈夫だよね!」
「大丈夫です!頑張ります!」

(がちゃーーーん!!)

「キャバレロ君!すごい音したけど大丈夫!?」
「大丈夫です!頑張ります!」

という具合に、気づかぬうちに無茶をさせてしまっていました。

「何もしていないのに壊れた」なんて事は全然なくて、むしろ心当たりのある事しかやってなかったというわけです。

この数年でキャバレロの”ここまでやったらダメだよ”を色々知る事が出来ました。勝手に自発的耐久テストをやって、勝手に報告。
その報告もメーカーからしたら「ヒロシ君、キャバレロはモトクロッサーじゃないからね。そこんとこよろしくね」という返答で済む内容であったことは少し反省しております。

僕が乗っている「キャバレロ スクランブラー」には兄弟がいます。
「フラットトラック」は、やや街乗り寄り「スクランブラー」はオンもオフもどっちもイケるユーティリティなやつ「ラリー」は足回り(サスペンション)が強化されている仕様。
僕が乗っている「スクランブラー」はこの3つの真ん中みたいな位置づけですね。

「ちょっと林道攻めてみたいし、ジャンプとかもしてみたいかも」と思っている方は、迷わず「ラリー」を。
ストリートな雰囲気で街乗りを楽しみたい方は「フラットトラック」を。
どっちもやりたい!って方は、とりあえず「スクランブラー」を選択してみるといいのではないでしょうか。
ちなみに、キャバレロのイラストなども手掛けているアーティストの加藤ノブキさんは「フラットトラック」にあえてブロックタイヤを履いてオフロードもガンガンに攻めてます。本当にガンガン攻めていてかっこいいんですよ。

そしてこれは僕のキャバレロ。


2023年 アサマスクランブラーミーティング。

キャバレロはノーマルのままでも完成されたかっこよさがあります
実際、手元に来てから結構悩みました「何かしたいけど、どうしよう」

とりあえずノーマルのまま楽しんで、イベントやレースに参加して、自分なりに最適化されていったのが、僕のキャバレロ。

具体的にはフェンダーレス化、ハンドル位置を手前に変更、エンジンアンダーガード装着。
ノーマルからの大きい変更点はそれくらい。

名前を付けるとすれば
「晴れの日限定!街乗りもしたいし!レースもしたい!よくばりスクランブラー仕様」です。
既視感ある字面だなと思ったら「ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会」を思わせる絶望的なネーミングセンスでした。

僕のキャバレロと対極にあるスタイルはおそらくロングツーリング仕様かなー。
以前、アサマ(群馬県)のスクランブラーミーティングに参加させてもらった時「大阪から自走で来ました」という方いました。

僕は名古屋から車で積載して来たにも関わらず「帰り誰か運転してってくんないかな」なんて思っていたので「来たって事は帰りも自走ですよね。正気ですか」と言ってしまいました。
テントも積んできてその場で泊まって、なんかそういうのもいいよなー。
サドルバッグやパニアケースが装備されているムチムチなキャバレロもかっこいい。憧れる。

「キャバレロでジャンプなんて正気ですか?」って思うかもしれないけど、僕からしたらロングツーリングテント泊勢もなかなかのリスクを背負っていると思うわけですよ。
道中でのマシントラブルとか、予報になかった雨風に打たれた日にはもう、全てを諦めて身一つでお家に帰りたくなっちゃう。

そんな僕もテントを買って一回だけ泊まってみた事があるんですよ。嫌になった時に車中泊できるようにテントとバイクを車に積んで。
慣れないせいもあって設営にえらく時間がかかって、出来たら出来たで「これをまた片付けるの、超だりぃ…!」となってしまって、それっきり。あの日の思い出とともに、テントはしまったままです。

ずぼらエピソードついでにもう一個告白すると、以前SSTR(太平洋から日本海は千里浜までのツーリングイベント)に参加した時は、行きに雨に打たれて、帰りも雨っぽかったから、もう嫌んなっちゃって。金沢の友人宅にバイクを置かせてもらって、その日は電車で帰宅。
後日、車でバイクを引き取りに行くということもありました。

めちゃくちゃ強引にまとめると、みんな違ってみんな超良い。
個性を出しにいっているのではなく、乗る人によって個性が出ちゃっているのを見るのがおもしろいんです。

愛知県 MXFIELDTOYOTAで開催されたダープラカップでの一コマ。
クローズドコースはどれだけスピードを出してもいいし、転倒しても多少の傷で済むことが多いから、思う存分楽しめる。


先日参加したのは愛知県の美浜サーキットで開催された「キャノンボールX」というイベント。オンロードとオフロードを混ぜたコースを使用しています。
まさにキャバレロ スクランブラーの為のコース設定。オンもオフも、グイグイ走れました。


結果としては「バイク何でもOKだよクラス」優勝。ジャンプ飛んだり、ショートカットの丸太を乗り越えたりして、混走だったモタードクラスのライダーさん達とも一緒に走る事が出来ました。ゴール後にモタードのライダーさんから「やられたー!」なんて言ってもらえて嬉しかったなー。なにより楽しかった!

レース後に「今のレース見てました!バイクかっこいいですね。どこのバイクなんですか?」って何人かの方から聞かれました。
キャバレロでイベントに参加するとよく聞かれるので「ファンティックっていうイタリアのメーカーで、これはキャバレロというバイクでして…」なんて説明するのもずいぶん慣れてきましたよね。キャバレロ乗りの皆さん。
色々含めて非常に愛くるしいバイクです。今後もキャバレロと色々遊んでみたいと思います!