MOTORISTSオリジナルの電動バイクを発表。 東京モーターサイクルショーで展示、発売開始。

MOTORISTSオリジナルの電動バイクを発表。
東京モーターサイクルショーで展示、発売開始。

2022年3月 - 世界のプレミアム・モーターサイクルの中でも「楽しさ」と「デザイン」を満たせる「本当に遊べる」モーターサイクルやeBikeに的を絞り、日本に紹介を続けているモータリスト合同会社(東京都大田区)。3月24日から開催される「東京モーターサイクルショー」でも取り扱い車種を紹介するブースを構え出店するが、ここで同社が自ら企画・開発を進めてきた電動オフロードモデルを出展する。すでに一部媒体への試乗機会の提供、関係者へのテスト試乗などを通じ問題点の解決も見えており、開発用のプロトタイプモデルながら、ほぼ最終仕様が固まったものとして、このほど一般公開に踏み切り、同時に予約を受け付け、販売開始するものだ。

今回展示するのは3機種。オフロード・モデル2機種と、ストリートモデル1機種だ。いずれもモータリストが企画し、中国のパートナー企業と開発を進め商品化させたODM(Original Design Manufacturing)モデルだ。モータリストでは、近い将来必ず訪れる脱炭素化の波に備え、またモータリストの商品を販売する販売店が商品の先細りによってビジネス機会を損失することがないように、長期的視野に立って商品の供給を検討してきた。こうした中、2年ぶりの東京モーターサイクルショーを迎えるにあたり、温めてきた商品の発表に踏み切ったということになる。

ODMの相手先は、中国・重慶に本社を構える「威利科技実業有限公司」だ。モータリストでは、長年にわたり蓄積されてきた豊富なモータービークルへの知識や知見と、開発・製造技術への知見を活用しながら、同時にアジア地域の製造業とのパートナーシップについても自らの経験を十分に活用し、パートナー企業を模索してきた。モータリストが求める仕様、要求にこたえながら、開発速度が速く、且つ必要な規制への対応、日本のお客様が求めるクオリティの価値や意味についても理解できるパートナーとして、数社との度重なる調整を経て、同社とのパートナーシップに至ったもの。同社は企業としての規模は決して大きくはないものの、柔軟性や開発スピードに優れ、また近隣の類似産業から適宜材料、部品等を調達する能力に長け、モータリストが考える協業相手としては十分な能力を保有している。加えて、エンジン付き車両(モーターサイクル、ATVやユーティリティカートなど)の製造実績を持ち、一部の商品では欧州規格への適合も受けているなど、品質についても一定の基準にあるものと考えている。

共同開発モデルのトップバッターとして選ばれたのは、オフロードモデル。電動モーターサイクルの現時点での限界の一つが電池容量であることを踏まえ、またモータリストが求めるモーターサイクル像、すなわち格好良くて楽しいこと、という理想の形を、電動化を言い訳にすることなく実現しようと考えると、まずは駆動時間が短くても存分に楽しさを味わうことが可能なモデル、すなわちオフロード・モーターサイクルでは、と考えたためだ。モータリストでは、さらに、他社の電動モデルを研究した経験からも、モーターならではの強烈なトルクの立ち上がりを効率的に使えるものにすることと、モーターサイクルとしてプロダクトに期待する味わいとを両立させる必要があると強く考え、一般的な電動モデルのようなモーター任せのつくりではなく、トランスミッション(ギア)を備えたモデルを用意すべきだと考えた。トランスミッションを用意するということは、クラッチを装備するという意味でもある。クラッチが存在することによって、乗り手は意識的にパワーユニットの出力を制御が可能になる。これにより、過剰なトルクに悩まされることなく、自在にマシンを操作する楽しみが味わえるはず、と考えたのだ。一方でこうした要件を、限られたボディサイズに投入し、他のどんなモーターサイクルとも違う、しかし見ていてわくわくするようなデザイン(スタイル)にまとめ上げていく作業も必要で、これを異なる言語のパートナーと仕上げていく作業は決して楽なものではなかった。

こうした経緯を経て、形となった最初のモデルが今回出展する【MOTORISTS VMX12】である。Vは製造を担当する威利科技の英文名称の頭文字、MはモータリストのM。Xはクロスバイク、すなわちオフロードモデルであり、12はモーター出力が12kwであることを意味している。

VMX12は、全く新しいデザインのフレームワークに包まれた大容量72w40AhのLG製リチウムイオンバッテリーを持ち、12kwの高出力モーターはスロットル一ひねりで125㏄クラスのエンジンバイクのトルクを一気に湧きあがらせる。4速のボトムニュートラル式のトランスミッションは、マニュアルタイプのクラッチを備え、速度や状況に応じてギアを選び、マシンを思うがままに走らせるモーターサイクルならではの楽しさを提供する作りだ。もちろんモーター駆動の電動バイクとしての利点は全く損なわれていないため、クラッチを一切使わなくてもエンストすることはない。すなわち、発進時もトップギア=4速でクラッチに触れなくてもエンストすることなく加速させることが可能でありギア選択を間違ってタイトなコーナーで高いギアのまま加速せざるを得ない時も、マシンが突然止まってしまうことを恐れる必要は全くない。
オリジナルのフレームに合わせて設計された外装はほかに似たものがなく、また競技を前提としないファンバイクとしての企画のため、ゼッケンプレートサイドカバーを持たないスタイルは斬新だ。エアボックスを必要としない電動モーターサイクルならではの設計の自由度をいかんなく発揮したデザインであり、これもまたVMX12のオリジナリティの一つと言っていいだろう。補器類のデザインとマスの集中化のためカンチレバー式となったリアショックは少々ストローク不足ながら、これもファンバイクとしては十分以上。レースを前提としていないため過大なストロークに頼る必要はなく、むしろダイレクトな接地感がモーターならではの強烈なトラクションと相まって、マディコンディションからヒルクライムまで、オフロードバイクを操る快感にあふれている。

設計上の最高速度は120kph、EEC基準での最大走行距離は120㎞を誇るVMX12だが、実際にモトクロステストを行っても、10分のウォームアップヒート、その後30分x2本のレースを走らせてもなおバッテリーに残余があるなど、ファンバイクとしては十分以上。急速充電機を付属させるため、充電可能な環境下ならば休み休み補充電してたっぷり遊べる仕上がりと考えている。

VMX12は、オフロード専用モデルを意識してデザインしているが、ホモロゲーションキットを別途用意。登録も可能な書類も用意してデリバリーする予定。開発にご協力いただいているモータリスト・エクスクルーシブ・ディーラーであり、モータリストeディーラー第1号でもある東京都大田区のiSモーターサイクルにすでに1台が用意されお乗りいただける準備が整っているほか、ショーに展示するモデルからさらに細かく改良された最終仕様が出荷を待っているところだ。現在予約受付中。予定希望小売価格:66万円(10%消費税込み/急速充電機付)。ホモロゲーションキット別売(予定)。

モータリストでは、威利科技と協働して多くのモデルをすでにテストし、今後の日本市場への投入を計画しているが、今回の東京モーターサイクルショーではほかに2機種のプロトタイプを展示している。自転車のような細身の車体に独特のトラスフレームに囲われた脱着式のバッテリーを備えるモデルは、VMX03。より身近に、文字通り誰にでも遊べて、電動バイクの世界への第一歩としてお楽しみいただけるよう、モータリストが提案するモデルだ。出力は最大2.5kwと控えめながら、わずか36㎏の車重に26インチの前後タイヤと、いわゆる「電動アシストママチャリ」とほぼ変わらない車格が敷居を徹底的に下げながら、モーター駆動の大トルクを存分にお楽しみいただけるモデルだ。モータリストが自信をもって紹介してきたキッズ電動バイク、TORROTに乗る子供たちと一緒に気軽に遊びに行くには最高のパートナーとなること間違いなしのモデルといえよう。希望小売価格:33万円(10%消費税込み)。

さらに、コンパクトなボディに必要な機能を詰め込んだストリートファイター、VMS6も展示している。軽快なリア周りが気軽で楽しい電動ならではのシティライドにいざなう、最大出力6kwのVMS6は、自動遠心クラッチ式のトップニュートラル・4速トランスミッションを用意した。フルホモロゲーション・モデルとしてデザインされながらも、コミューター+αの能力に抑えることで、無理に長距離を追わず、しかしコミューターとしては十分以上に楽しんでいただけるつくりとなっている。希望小売価格:49万5千円(同)。
今回展示の3機種はいずれもすでに商品化が完了し、出荷可能な状態。ショーでの反応を見ながら入荷数の調整を行う予定であり、誰よりも先に未来に触れたいライダーによる予約発注をお待ちしているところだ。ぜひ、モータリストのブースで、スタッフにお声がけいただき、ご注文いただきたい。

また、モータリストオリジナルの電動モーターサイクルシリーズは、先に発表した通り、モータリストeディーラーを通じて販売していく予定。すでにモータリストが扱うランブレッタやファンティック、SYMなどの商品の取り扱い経験のある販売店を中心に、低電圧整備資格の取得など、必要な知識と技術を習得し、将来に向けてモータリストとともにコミットしていく意思のある販売店を募集している。興味のある販売店はぜひお声がけいただきたい。

なお、威利科技とモータリストの共同開発モデルはほかにも多数企画され、準備が進められている。特にB向けに用意する電動三輪モデルは、コストバランスに優れ、急増するデリバリー需要にこたえられるモデルであると自負している。他にも多くの安心してお乗りいただける商品を、日本のお客様のし好に合わせつつ、モータリストならではの企画で用意し発表する予定。新商品にぜひご期待いただきたい。

並行して、モータリストが企画を行わず、威利科技が先行して企画開発しているモデルも少なからず存在している。これらのうち日本市場に紹介する価値のあるものについては、順次用意していく予定。すなわち、モータリストオリジナルブランド商品だけではなく、インポーターとしてのモータリストが威利科技の商品を日本で販売するケースも今後は登場する予定だ。

今後もますます充実させる商品群を持つモータリストに、ぜひご注目いただきたい。