【MALAGUTI】 MALAGUTI再興。東京モーターサイクルショーでデビュー。

MALAGUTI 再興。東京モーターサイクルショーでデビュー。

2022年3月 - 世界のプレミアム・モーターサイクルの中でも「楽しさ」と「デザイン」を満たせる「本当に遊べる」モーターサイクルやeBikeに的を絞り、日本に紹介を続けているモータリスト合同会社(東京都大田区)。3月24日から開催される「東京モーターサイクルショー」でも取り扱い車種を紹介するブースを構え出店するが、ここで新たなラインアップとしてマラグーティ(Malaguti)をデビューさせる。マラグーティはその復活が2019年のEICMAで発表され、当初はOEMモデルを中心にラインアップを展開。このほど完全にオリジナルとなるモデル群を用意できるのを契機に、日本でも取り扱いが始まる。

Malaguti。“The Spirit Of Bologna” (ボローニャの魂)をキーメッセージとする、イタリア生まれのブランドだ。創業は1930年と古く、自転車のライダーだったアントニ-ノ=マラグーティが自らのためのスポーツサイクルを製造するメーカーとして設立され、チームも結成し自転車レースに参戦した。やがてマラグーティはエンジンを搭載したモペッドを生産するようになり、規模を拡大していく。イタリアでも唯一の純粋なファミリー企業として3代にわたって多彩なモーターサイクルやスクーターをデザインし製造してきたが、ヨーロッパの多くの小排気量メーカーと同様、アジアの強豪との厳しい戦いに対応しきれず、2011年にその製造を停止した。その後は、部品の供給やアフターサービスの提供だけを細々と行ってきたが、2018年にオーストリアのKSRグループがマラグーティ家から一切を買い取り、ブランドを再興させた。

マラグーティを買い取ったKSRグループ(KSR Group GmbH)は、オーストリアを本拠に中欧の多くの地域で年間60,000台を超えるモーターサイクルやスクーターを、2300軒を超えるディーラーネットワークを通じて販売するディストリビューターとして知られている。Kirschenhofer(キルシェンホーファー)兄弟が経営のかじ取りを行うファミリー企業でもある同社は、オリジナルブランドのモーターサイクルを企画するなど近年は「メーカー」としての立ち位置に向けてその経営のかじ取りを行ってきているが、マラグーティの買収もその姿勢に沿うものだ。日本におけるKSR社の商品の取り扱いはモータリスト合同会社が一貫して行っており、マラグーティはランブレッタ(Lambretta)、モートロン(MOTRON)に続く第3弾ということになる。

再興したマラグーティは、2019年のEICMAで復活を宣言。125㏄クラスのロードモデルやオフロードモデル、スクーターなど6機種を発表し販売網つくりを開始した。ヨーロッパでは古くから知られるマラグーティーは、特徴ある美しいデザイン、チューニングパーツの入手が容易な汎用のモーターサイクル/スクーター用エンジンの採用など、個性を求めるユーザーからは高い評価を得てきたブランドだ。復活に際してもまずはそのブランドアセットを重視しつつ、全く新規に企画するニューモデル登場への足固めが主な目的としてのショー出展であった。同時に、センセーショナルな発表となったのが、伝統の名前を継承しつつ全くのオリジナルモデルとして復活したDRAKON(ドラコン)である。中国製のエンジンが比較的容易に入手でき、多くのアジア・メーカーが小排気量モーターサイクルに参入する中、デザインも一線を画し、各部の仕上げも圧倒的に美しく、極めてプレミアムなヨーロピアン・モーターサイクルとしてショーでのデビューを飾ったのである。

DRAKONのスタイリングを担当したのは、デザイン会社RIDE Gmbh。KSRがRIDEのファウンダー、クレイグ=デントと共同出資して設立した、ザルツブルク(オーストリア)に本拠を置くこの会社は、DRAKONを皮切りに、マラグーティやBrixton、MOTRON、A-TOといったKSRグループが手掛ける商品のスタイリングからデザインまで一手に引き受けていくことになる。クレイグ=デント(Craig Dent)は日本のメーカーを経てオーストリアのKiskaでモーターサイクル部門のチーフ・デザイナーとして活躍。125Dukeに始まるKTMやHusqvarnaの商品群を作り出してきたことで知られている。デントのデザインは、ライダーとモーターサイクルが一体化して走り出せるような豊かなエルゴノミクス、違和感がないのにほかでだれも見たことがないほどの先進性、マシンをライティングした時の光と面との関連性に気を使ったスタイリングが特徴で、今後のKSRグループのモデルにその個性が反映されていくことが大きく期待される。

モータリスト合同会社は、再興したMalagutiのモデル群のうち、完全にオリジナルの商品として用意されたニューモデル、DRAKONと、スポーツスクーターであるMissionから取り扱いを開始する。DRAKONは3月から生産が開始される予定で残念ながら東京モーターサイクルショーでの展示には間に合わなかったが、Missionはワールド・プレミアとしてショーで登場する。再興なったマラグーティらしい、鮮やかなホワイトとシャープなブラックで構成されるボディは、RIDE GmbHのデザインがいかんなく発揮されたもの。独特のスポーティーなスタイルが目を惹くが、マシンの重心に近づける横置きに配されたリアショックユニット、マラグーティらしいフロントのルーバー風デザインの裏に隠されたラジエーターなど、走りのためのオリジナリティが、デザインだけのモデルではないつくりを物語っている。

モータリストが用意するMalagutiは、ヨーロピアン・プレミアム・スモールブランドとして、Lambrettaと並び、他のスクーターでは発揮しえないスタイリングと走りを両立させるモデルを提供できるブランドとして育成させる予定。既存のランブレッタ、あるいはSYMのディーラーネットワークを中心にマラグーティディーラーを募っていく予定だが、これに限らず新規の、かつてマラグーティを取り扱っていた販売店などからの参画も期待している。

3月25日から東京・ビッグサイトで開催される東京モーターサイクルショーでデビューし、紹介するMissionと、その後の導入が確定しているDRAKON。いずれもEURO-5をクリアする最新のテクノロジーで作りこまれた商品だ。マラグーティならではの、プレミアムな位置づけ、スタイル、クオリティのどれ一つをとっても満足いただける仕上がりをぜひショー会場でお確かめいただきたい。

Mission (ミッション) 125/200

125/200㏄の2つのエンジンを選択可能な、再興マラグーティのトップモデル。圧倒的にスポーティーなルックスと、それを支えるオリジナルの足回りが走りへの期待を高めるモデルだ。

エンジン:水冷4サイクル単気筒124(181)㏄
最高出力:9.0kw@9500rpm(12.9kw@8000rpm)
最大トルク:10.5Nm@7750rpm(15.5Nm@7750rpm)
車両重量:154㎏(ガソリン込み装備重量)
燃料消費量:3.9L(3.3L)/100km
全長x全幅x全高:2000x810x745
タイヤサイズ:120/70-13(F)、130/70-13(R)
ボディカラー:グレー/ホワイト

国内希望小売価格: 495,000円(10%消費税込み):Mission125
539,000円(10%消費税込み):Mission200

 

DRAKON(ドラコン)

小柄なボディにライディングに集中できるエルゴノミクス。LEDを使用したライティングが、マシンの美しさを際立たせる、全く新しい125㏄モデル。マラグーティの伝統のモデル名を冠しながら、再興したブランドの旗艦としてデビュー。3月生産開始、5月発売予定。予約受付中。

エンジン:水冷4サイクル単気筒、124.8㏄
最高出力:10.kw@9500rpm
最大トルク:10.5Nm@5500rpm
車両重量(ガソリン込み装備):144㎏
全長x全幅x全高:2074x805x810
タイヤサイズ:100/80-17(F)、130/70-17(R)
ボディカラー:ホワイト

国内希望小売価格:539,000円(10%消費税込み)

なお、Missionについては125/200ともにすでに複数台の日本国内在庫があり、ショーと同時に販売を開始する。予約の受付は本日から開始し、在庫分から順次出荷していく予定。DRAKONについては予約の受付のみ開始とし、3月後半から生産を開始、5月ごろから順次国内出荷の予定。マラグーティ・ブランドの商品はこれまでのモータリストの商品同様、日本中どのオートバイ販売店でもご購入いただけるが、現時点でモータリスト商品をすでに取り扱い中の販売店は優先配車の対象となる。また、モータリストと車両販売取引がなく、新規にマラグーティーのみの取り扱いを希望する販売店は。店頭サインなどの設置の相談に応じ、順次ショップグレードを設定しお取り扱いいただく予定。
なお、モータリストでは、マラグーティ再興を記念して、かつてのマラグーティの中でも独自のデザインとパフォーマンスで圧倒的な人気を持ちロングセラーとなった記念碑的モデル、Malaguti F12 Phantomの限定車、Ducati Corseバージョンを合わせて用意。ファクトリー店内でニュー・マラグーティと合わせてご覧いただけるほか、販売店イベント等への貸し出しも予定している。