ファンティック・レーシング・ニュース ダカール2022

戦士の休息。ダカール2022 は後半戦へと再始動

Fantic XEF Rally 450 とフランコ=ピッコ、
ジェッダ( ジッダ) へと備えを新たにする
ダカール2022 サウジアラビア

2022年1月8日

世界で最も過酷な自動車( 二輪・四輪) レースは明日、後半の熱い戦いに向けて再び火蓋を切る。1月日の日曜日、レース後半戦は挑戦者たちを1月14 日のジェッダ( ジッダ) でのフィニッシュへといざなって行く。Fantic チームの面々は、十分な休養もとり、ベテランライダー・フランコ=ピッコに委ねたブランニューXEF Rally 450 の調整も終わらせ、再スタートに向けて準備は万端だ。

レース最初の1週間は、チームにとっては技術的な実験の場としての大いなる経験に役立った。ベテランパイロットであり多くのラリーレイドを経験してきたライダー、フランコ=ピッコは、順位に気を配ることも忘れずに、同時に開発したマシンの状態にも意識をフォーカスさせて走行していた。
当初の6 つのステージでは、平坦なエリアにおいてはフルスピードで走らせることができたが、長く険しい石だらけの道や果てしない砂丘の連続といった、起伏にとんだ地形によって激戦を強いられた。当初、思い描いていた砂漠の走路の様相とは異なり、連なる砂丘はビーチサイドのようなソフトな砂などではなく、雨によって固く締められた砂地となって、6 日間の行程を走行する間頻繁にその厳しさを現わしていた。それに加え、容赦ない湿気と寒さが常にラリーキャラバンに襲い掛かり、前半のサウジアラビア北部の走破は厳しいものとなった。後半戦は、南部の天候状況にもよるが、ライダーやキャラバンを取り巻く環境は若干和らぐものと予想される。

元旦に行われたプロローグ(2日からのレースを前に行われるステージ) で、レースのフィニッシュ地点となるジェッダ( ジッダ) から、スタート地点となるハイルへ移動したライダーたちは、翌2日のスタート後、同じビバーク( 野営地) を拠点に、周回する4 ステージ(4 日間) でスタート&フィニッシュを繰り返し、さらに並行して続く2ステージ(2 日間) をクリア、その総走行距離は4400km 以上にも及んだ。この長い行軍の最初の行程において、ルーキーFantic XEF Rally 450 は我々のリクエストにことごとく効率よい反応を見せてくれた。マシンの長所については、ライダー フランコ=ピッコの言葉でも語られている。
「Fantic XEF Rally 450 には非常に満足しているよ。ここまでは何の問題も起きていない。オイル類や液体類、フィルターといった消耗品の交換をしたぐらいで特に気になる点はないね。平坦地であえてスロットルを開けてみたが、そのトップスピードは目を見張るほどだった。フロント部分に配置された燃料タンク( 予備タンクも含め) の重量配分も、非常に良く考えられていて走行に好影響を与えている。ライダーであれば、もちろん順位も気になるところだが、それ以上に我々にはマシンを完走させ、その全ての経験値や実践データを商品としてのマシンに反映させるという重要な役割がある。ただ、走りを不用意に阻害されないためにも、レース中は他車に後ろに付かれないよう上手くペースを保つことも大切だ。ともあれ、我々は今のところ好調に順位を保っていると考えているよ。」

レース中盤の休息日を迎え、ファンティックとピッコは総合76 位、ベテランクラスの8 位、イタリア人パイロットとしては3 位である。

ラリーの休息日である8 日は、メカニックにとっては「仕事日」だ。Fantic チームは XEF Rally 450 のエンジンを丸っと交換した。これは初めからプロジェクト・マネージャーにより計画されていた行為だが、レース途中のこういった「介入」にはペナルティがあり、15 分のペナルティが課せられる。にもかかわらずこの選択が取られたのは、開発途上であるエンジンを完璧に分析することが最大の目的であるからだ。ピッコは説明している、「15 分タイムロスしたとしても、順位にそれほど影響はない。それよりも今後のために、可能な限りより多くの技術面の情報収集を行うことが重要だ。さて、再スタートだ。集中してダカー
ルの後半戦に臨もう。厳しいステージが待ち受けているからね。」

6 日間の南方への行程、ゴールに向けての後半戦にはまだ多くの砂地が待ち受けている。2つ(2 日間) の周回するステージと4 つ(4 日間) の並行するステージが用意され、ダカール2022 で最も長い距離を走ることになるアル・ダワディミ~ワディ・アド・ダワシル間830km のステージが1 月10 日に開催される。後半戦の総走行距離(km) は、ゴールのジェッダ( ジッダ) までの走行距離が統合されて約4000km ほどになるが、レース全体の総走行距離はおよそ8400km にも及ぶのである。
フランコ=ピッコとFantic XEF Rally 450、Fantic チームは今まさに挑戦を続けている!